需給バランスでみる株価
どうも、おっさんマガジン編集長です。
「株価」気になりますよね。特に短期的に保有している銘柄の株価はとりわけ注目してみていくと思います。
ところで、「株価」とはなんでしょうか?
改めて文字にするとなると難しいように思いますが、至って簡単です。
皆さんご存知のとおり、「1株当たりの値段」のことです。
色々な本やネットや動画でも色々と株価の変動要因について、難しく説明しているものがありますが、「株」の値段の決まるのも、「鯖(さば)」の値段が決まるのも突き詰めれば同じ流れです。
あの味噌煮にすると美味しい、ダイエットなら水煮で、昼の定食の塩焼きもお勧めなあの鯖(さば)です。
鯖で見る株価
皆さんは鯖の値段がどうやって決まっているかご存知でしょうか?
他にも「レモン」「バナナ」「アボカド」も食べ物以外も、
大体この世の中に溢れる商品全部、
基本的には株の値段が決まる流れと同じように値段が決まっています。
むしろ株だけもっと難しいイメージであったり、専門の勉強が必要だと考えるほうが不自然です。
ダイエットでも大人気の鯖缶ですが、なぜ価格が安く抑えられているのでしょうか。
それは、入手できる量に対して消費が少なく、もしもっと高い値段を設定すると欲しい人が居なくて売れなくなるからです。
ちなみに供給だけので面で見れば、鯖はノルウェーで大型サイズが大量に獲れ、それを日本は輸入しています。日本でも小型の鯖が大量に獲れ、それは輸出したり缶詰にしたりしています。レモン、バナナは大量生産、大量輸送が可能なため比較的値段も安く抑えられています。アボカドは生産に大量の水が必要な事もあり生産コストが高いので、ある程度値段は高いところで安定しています。また、日本でのアボカド輸入量がレモンの1/5程度の量であることも値段が高く保たれている要因の一つです。
ここでは、代表して「鯖」で値段の決まり方を詳しく見ていきましょう。
鯖缶が高くなる時
現在、スーパーで「鯖缶1個100円」で売られていたとします。
それが理由もなく突然スーパーが値上げして200円になったらどうでしょうか。
誰も買いませんね。むしろクレームですね。
しかし、もしスーパーの店頭で
「世界中で資源が枯渇し鯖が獲れなくなりました。よって鯖缶の次の入荷予定はありません。今日は200円で売りますが、明日からの値段と在庫はどうなるか分かりません。」と告知していたらどうでしょうか。
「昨日までは100円」だったとしても、「今日は200円」です。
それでも今なら安い気がして買っておいた方が良い気がしますね。
なぜなら明日には300円、2日後には400円になるかも知れないし、
もう二度と買えない可能性だってあります。
だからみんな「今」の状況と値段を考えて、買った方が得だと思える200円の鯖缶を買います。
バーゲンセールのように急いでなくならない内に買うのです。なぜならいつ無くなるか分からないから。もしかしたら誰かに高く売りつける事が出来るかも知れませんし。ウッシッシ。
チケット転売も同じです。正規だろうが不正規だろうが、買ってくれる人が居るからどんどん不正販売価格が高くなっていきます。
これが高くなる場合。みんなが欲しがるから値段が上がります。
次に安くなる場合。
鯖缶が安くなる時
通常価格がスーパーで鯖缶1個で100円とします。同じですね。
それが「今日は特別セールで80円!」となっていたらどうでしょうか?
ちょっと今は必要ないけど買いだめしておこうかしらとなりますね。
賞味期限は長いし、どうせいつか食べるし。好きな人は。
しかしそれが、「現在大量に鯖缶の在庫を持っているので、今日80円、明日70円、明後日60円。その次は不定期でもっと安くしますよ~。だから店に毎日きてくださいね~」と告知されていたらどうでしょうか。
普通は100円なので、80円でも安いはずですが、もっと安くなるのに今日急いで買う人はいません。安くなってから買えばいいやと思います。それが今日も明日も明後日もと続くと、もっと安くなるんでしょと誰もが考えてスーパーには毎日来たとしても鯖缶は買わなくなります。
誰も買わなくはなりますが、スーパーはすでに在庫を抱えているので、店舗スペースを作る為にも売らないといけません。滞留在庫は悪です。
ということで、60円で売ってみますがほぼ売れず、55円にしますがそれでも売れません。
そこで思い切って40円したところ少し売れましたが、「どうせもっと安くなるんでしょ~」と言われ買ってくれる人は少ないままです。
しかし、35円で仕入れた鯖缶を40円以下に安くはできません。
それからしばらくずっとこの40円の価格が続くと、もう下がらないのかなと思った鯖缶を食べたい客に少しずつ40円で売れるようになります。
もっと安くなると思う買い手の考えから、この値段でいいかと考えが変わり、これ以上は安くできない売り手の事情もあり、バランスが取れる40円という値段が
鯖缶の当面の「通常価格」になります。
だれも欲しがらないから値段が安いところで均衡します。
需給の転換点を考える
ここで重要なのは、鯖の品質や味はほぼ関係ないということです。
値段が高くなるのは、みんなが欲しがっているから欲しいのであって、美味しいから欲しいんじゃないです。
値段が安くなるのは、今買わなくても後でもっと安くなると思うからであって、不味いからいらないんじゃないです。
株価でいえば、その企業が儲かっているから株価が上がってるんじゃなくて、みんなが欲しがってるから自分も欲しくなって株価があがる。儲かっているかどうは関係ないです。
しかし、これが行き過ぎた高価格となるとどうでしょうか?
本来1個100円だった鯖缶が、1個3,000円とかになると、「さすがにおかしくない?」って言いだす人が増えてきて、少しずつ欲しい人も居なくなり値段が上がるのが止まります。
そして、少しずつ値段が下がって2,980円、2950円、2930円とどんどん下がってきます。。そうすると誰かに売ろうと2900円で買った人もやばい「もっと安くなるかも」、と考えて2900円でメル○リで売りに出しますが、売れません。2800円でも売れません。2700円でようやく売れました。こうなると2800円と2700円で買った人も損することになり、やばいと気づいた人がどんどん売り始めます。そうなるともうコントロールは出来ません。日本中で行きつくところまで値段を下げていく事になります。
逆に行き過ぎた低価格となるとどうなるでしょうか。
鯖缶1個40円で細々と販売していたのが、賞味期限が近くなり他の店で20円で販売するところが出てきました。そうなるとどう考えてもそもそもの鯖の価値に対する値段よりも安いということに気づいた人が買うようになります。買っている人をみてそれに気づいた人がどんどん増えます。欲しい人が増えてくると少しずつ値段が上がってきます。そうなるとその時点まで気づかなかった人も今「買っておかないと損」のような精神状態となり買いが殺到して値段がどんどん高くなります。高くなる値段をみて、もっともっと高くなるはずから今買おうと思うのです。そしてどこかのタイミングで「高すぎる値段」ということに気づいて値段がまた下がって行きます。
これが商品の値段が決まっていくプロセスです。価格が上昇中なのか下降中なのか均衡がとれた状態なのか、すべてのこの世の商品はどこかの状態にあります。ずっと同じ値段の物はなく、大なり小なり上下を繰り返しながら「その時の適正価格」に近づいていきます。
株の値段もこうやって「高くなる時」と「安くなる時」を繰り返しながら、株の本来持つ価値に近づこうとしていくのが株価の動きです。
「高くなる時」「安くなる時」の値動きで稼ぐのが短期トレード、
その企業の本来の価値に対して投資し、長いスパンで見たときに将来高い水準での適正な株価になることを期待し企業に寄り添って応援するのが長期トレードです。
また、需給バランス(買いたい人/売りたい人)の心理に影響を与えたのが、
「世界的に鯖が獲れなくなった」という外的要因と、
「在庫が大量にあるから」という内的要因がありました。
株式投資の場合には、外的要因として、市場全体の要因(景気/為替/金利/政策/災害/海外市場など)があります。内的要因は業績/企業買収/株式分割/不正発覚などが大きく需給バランスに影響を与える事となります。
市場全体の要因として、景気が悪くなればそもそも投資する余裕がないですし、為替が下がれば輸入する費用が上がりますし、金利が上がれがリスクの高い株式投資よりも定期預金や国債・債権などの魅力が増し株式投資にお金が回って来なくなります。
地震や洪水などの災害は経済に大きな影響を与えますし、中東で原油価格に変化があれば、世界各国は知らんぷりをすることは出来ません。
内的要因は、業績悪化の場合は配当に直結しますし、減配や無配の可能性だってあります。買収されたり、企業の隠蔽していた不正が発覚したりするとその企業自体への信頼が失われ、営業先に切られるかも知れません。
こういった外部・内部要因の出来事をうけた需給が影響し株価を決定していきます。
短期的にみた時には、いくら外部要因に不安があろうと、内部要因に問題があろうと、需要がある場合には株価は上昇していくので注意が必要です。
2018年10月の暴落前、トランプさんは大暴れだし、北朝鮮は騒がしいし、中国は好きな事を言っていました。世界情勢のニュースでは不安たっぷりな事を毎日言っていたのに、経済ニュースになると、一転して「現在の情勢を市場は楽観」など需給のバランスが良く分からないことにミスリードされ、連日のダウ平均最高値で買ってしまった人も多かったと思います。ダウ平均の影響を当然受けるタイ株でも、暴落前の出来高は連日高かったです。
これはまさに外部・内部の悪要因が、需要に正しく反映されていない例です。一部の人間がポジショントークで意図的にミスリードし、それに飛びついた一般投資家を相手に売り抜け、まんまと出し抜かれた一人が何を隠そう私です”(-“”-)”
私たち個人投資家は、広く情報を収集しながら、正しく物事を理解し、違和感を素早く察知して、世界情勢と市場のギャップを感じとり、リスクを取ったり、ヘッジしたりして資産を大きく伸ばす必要があるのではないでしょうか。いいなりでは勝てません。自分でしっかりと力をつけていきましょう。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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