パブロフの犬とは・・・
犬にエサを与える際に、いつもベルを鳴らしてから与える事を繰り返していると次第に犬は、実際にはエサを与えなくても、ベルをの音を聞くだけでヨダレを出すようになるというもの。
1902年旧ソビエト連邦のパブロフ博士が実験で発見・提唱した。
条件反射の浅はかさ
「犬と一緒にするな」とお思いの方も、「思い当たるフシがある」とお思いの方も、
今日は、パブロフの犬にならないための考え方や、
この犬になってしまう、間違った「学習」をしないため、もしくは「再学習」で行動を改めるため、
一緒に学んでいければと思います。
宜しくお願いします。
思い当たるフシがあるはずです。
・梅干しを見ただけでつばが出てくる
・子供のわがままを一度聞くと、次にはもっとわがままになる
極端な例で言えば、交通事故で血だらだら流しているのを見たら、
まるで自分も痛みを感じるように顔をしかめてしまう。
これらは、私たち人間も犬と同様に「学習」することが出来るために起こる現象です。
ただこれが先ほどの「パブロフの犬」のように、
自覚のないままに間違ったリードをされる可能性がある事を
現代社会の私たち人間は肝に銘じておく必要があります。
当然、良い「学習」であれば、そのまま継続していけば良いのですが、
それが悪い学習であった場合、「再学習」し、正しいく修正する必要があります。
梅干しの場合は、良い学習です。強い酸性の梅干しを口に含む前にアルカリ性のツバを分泌することにより、歯を強い酸から守ります。
パブロフ犬は悪い学習の例です。意味のない習慣を植え付けられています。
この実験が終われば、ベルの音とエサの獲得はなんの関係もありません。
霊柩車を見たらなんとなく陰鬱な気分になる、
消毒液の匂いを嗅ぐだけで病院を連想し、痛い注射を思い出しカラダが強張る、
講演で大人数の話をするときなど、無駄に緊張してうまくしゃべれないとか、
実際は、その状況が自分の体に直接影響を及ぼさないにも関わらず、
私たちの体も心も無駄に反応してしまいます。
講演するのも、立ち話するのも「しゃべる」という本質はなにも変わりません。
ただ、今までの経験で、こうあるべき、失敗するのが怖いという思いが、
カラダや心に変調をきたし、
発表の段になって条件反射で暑くもないのに滝のような汗が出たりします。
株式売買にも影響を及ぼす
株式売買の場面でもこの条件反射を見る事が出来ます。
なんの裏付けも、ニュースも無いのに株価が下がっていても、
自分も早く売らなきゃと、条件反射で売ってしまいます。
これがデイトレの場合であれば、正しいと思いますが、
ファンダメンタル、企業のチカラをベースに取引する長期投資家でさえ、
暴落でどんどん売られている自分が保有する株、見る見るうちに下落する株価、
これらに耐え切れずに売ってしまいます。
これは、その企業の持つチカラ、将来性でトレードしているのではなく、
株価が下がったから、売る。上がったから、買う。と、
ただの条件反射です。そこになんの考察もありません。
時にはこれも有りな行動だと思いますし、自分もやります。
しかし、これがメインとなると何を根拠に株式を保有しているのか分からなくなります。
本来であれば、理由の見当たらない急激な下落も長期視野で見れば、
株価も押し上げられて適正な値になるでしょうし、
そもそも、その動きの理由も分かってないのに、動きに反応しているだけなので、
意味はありません。
みんな売っているから、みんなが買っているからと、その流れに流されているだけです。
長期で考えれば、今株価が安いから買うのではなく、
企業のもつ将来性、その企業が所属する産業の行く末などを考慮し、売買をするべきです。
まとめ
人間に限らず私たち生き物は日々学習し、工夫しながら生きています。
植物でさえ、ミツバチに花粉を運んで貰おうと美味しい蜜を出し工夫しています。
「学習」自体は成長に欠かせない大事なものですが、
私たち人間は、その「学習」が正しいものだったのか、
「再学習」で修正が必要なものなのか、
常に考えながら意思決定・行動選択する必要があると思います。
老害のように頭の堅い凝り固まった、なんの融通も利かないおっさんになるより、
もし間違ってしまった時には素直に謝る事ができ、
次からはそれを学び改善して行ける、そんなかっこいいおっさんになりたいと思います。
ではでは。