連鎖倒産の恐怖
日本では、業績悪化が原因ではなく、
人不足が原因で倒産が増えているそうです。
他人事みたいに言っていますが、まだ私が勤務する企業が
この他者の倒産に巻き込まれていないのは、ただのラッキーだと言えます。
というのも、
倒産するということは、
負債を抱えているということです。
その企業の負債ということは、
逆を言えば他の企業の資産と解釈することが出来るので、
払って貰えると思っていた代金がその会社が倒産したことで回収できないなど、
当然他の企業の業績に大きな影響を与えることだってあります。
取り返しがつかない場合は、連鎖倒産ってやつになります。
他人の不幸は蜜の味かも知れませんが、
共闘している中小企業にとって、
仲間の倒産は即自社に影響を及ぼすことになります。
ちなみに、中小企業庁のレポートによると、
2018年度の中小企業の倒産件数は、8235件。
その負債総額は、約1兆5000億円。
これだけの金額を払うことが出来ずそのまま倒産しています。
言い方を変えれば、倒産した企業の取引業者が、
貰えるはずだった代金をとりっぱぐれた金額と言えます。
それりゃ、連鎖倒産だって起きてもおかしくないと思える金額ですよね。
ということで、
いつ何時自分の勤める会社が、
他社倒産の被害に巻き込まれてもおかしくないということです。
営業やってると経理とか財務の人間は細かくてうざいけど、
与信管理ってホントはすごい大切なんだと思います。
倒産の解釈については、
法的整理や私的整理など、
細かい考えがあるようですが、
ここではざっくりと
「経営が行き詰り、支払うべき弁済を払えなくなった時」
と考えています。
人手不足で会社が倒産しちゃたら
これは路頭に迷いますね。間違いないです。
きっと頭の中真っ白になるでしょう。
なんだったら、ストレスと不安で白髪も増えて、
頭の外っかわも真っ白になるでしょう。
一部の記事では、経済が効率化されるからマクロの意味では、
中小企業の倒産は良い事だみたいな論調もありますが、
そんなもん、当事者として突然巻き込まれた方からしたら
たまったもんじゃありません。
私のようにのらりくらい会社に依存しているダメリーマンならまだしも、
「自分の時間は全て会社・仕事のために!」
「プライベートなんて要りません!」
みたいな猛烈社員にとって、
「会社=自分の人生すべて」みたいなもんですから、
会社が倒産なんてこの世の終わりみたいに感じることと思います。
何を目標に歩いていいのか分からない、まさに路頭に迷います。
採用希望者の要望に足る賃金が払えないのが悪いのか?
そもそもなぜ人手不足が起こるのか。
全人口の中で労働するべき年齢の人の数である労働力人口。
寿命が延びている現代において、
何歳までを労働力人口と定義すべきなのかは私には分かりませんが、
とりあえず「働きたい人」は日本に沢山いるはずですw
「仕事が無い」なんて言ってる人も居ますが、その真意は、
働きたいと思える「仕事がない」ってだけです。
仕事内容さえ選ばなきゃ、明日からだって今日からだって働けるはずです。
飲食業やサービス業での人手不足が叫ばれていますが、
労働のきつさや大変さなどに比例して、
その労働に対する対価としての賃金に期待するものは上がっていきますが、
利益率の低いこれらの業種では、
賃金を上げることが出来ていません。
食材などは、海外はインフレが進む中、日本だけエラい長いデフレですので、
仕入れコストは上がっているのに、売り値は上げられない状況です。
日本に行ったことのあるタイ人が
日本で食べる料理は安いとか言ってるのを聞くと
なんとも言えない気持ちになります。
労働に対する対価としての賃金の考え方としては、
縦軸を仕事の大変さ、横軸を賃金とした時の
「労働者側」が働いてもいいよ思える賃金曲線と
「採用する企業側」が払ってもいいよと思える賃金曲線の
交わる点が両者が合意する均衡賃金となりますが、
この均衡賃金に足る給料を払うことが出来ないような企業は
潰れてしまえというのは、あまりに横柄な考え方のように思います。
町のクリーニング屋さんや、小規模な昔ながらの定食屋さんでは、
どう頑張たって日給2万円は払えません。
でも正規雇用で働きたいと思いながら非正規雇用で働いている人の中には、
年収500万円とか夢見る人もいる訳です。
ちなみに毎日2万円×週5日×4週=40万円
40万円×12カ月でようやく480万円です。
働く側からすると500万円足らずの給料と思われるのかも知れませんが、
一日2万円以上の利益を、その人の力であげてくれる従業員って、
どれほどいるのか疑問が残ります。
私には毎日2万円以上も稼げる自信はちょっと無いです。
ちなみにコストやら税金やら社会保険料などある訳で、
当然2万円プラスアルファを絶対に稼がないと会社に貢献は出来ません。
むしろお荷物。
そうなると、小規模な事業や企業では、
労働者の希望に見合った給料を払うことが出来ずに、
事業自体を継続することが出来なくなってしまうわけです。
そんな稼ぐシステムもノウハウも無いような会社は潰れてしまえ
なんて鬼のようなこと言えますか?
全部が全部チェーン化する
小規模経営では、どれだけ企業努力をしたところで、
大規模経営の効率にはかないません。
飲食店であれば、大量に仕入れることで仕入れ単価を抑えて、
大量に効率よく売ることで利益額も率も上げることが出来ます。
月商300万円程度の個人店のちょっとおしゃれで美味しい
ハンバーガー屋さんが提供する牛肉パテのコストと、
1店舗平均月商1,500万円のマクドナルドのコストは絶対にマックの方が安いですよね。
さらに、個人店は小規模店舗で、手間をかけて調理し、
大体の客は購入し店舗内でそのまま食べるので
客席も用意する必要があり、効率も悪いですが、
マックなんて広い店内であっちゅう間に提供して
なんだったらドライブスルーで店内スペースを使わずに
需要がある限り、ある意味無限に売上を伸ばすことが出来ます。
この違いはとても大きく、手元に残る利益率も歴然とした違いがあります。
こうなると、個人店はいつうか潰れてチェーン店ばっかりになってしまいます。
個人が脱サラなどで独立開業しても3年後には7割潰れると言われます。
いくら新しく開業する人が出てきても、
経営母体が強く、なかなか閉店しないチェーン店ばかり残るのは自明です。
チェーンの牛丼屋とか、定食屋、クリーニング店などが出て来なければ、
まだ続けることが出来た町のクリーニング屋もあったと思います。
酒屋潰してコンビニに変えるなども同じようなモンですね。
全部チェーン店になって面白いのか
たしかに大手の運営する
コンビニや飲食店、クリーニング屋などは便利かも知れません。
従業員個人の力量ではなく、
マニュアルや構築したシステムなどで、
提供するサービスレベルを均一にする方法を知っているからです。
しかし、マニュアルで下のサービスレベルや品質は防ぐことは出来ても、
特上のサービスやとんでもなく美味しい料理は提供できないし、
ボタンのほつれを何を言わなくてもサービスで縫っていてくれたりなどはしないし、
そもそも記憶に残るようなこともほぼありません。
良くも悪くもどこ行っても一緒。
それでいいんでしょうか。
チェーン店に行くくらいなら個人店にいく
チェーン店がありきたりでダサいとか美味しくないからとかじゃなく、
個人店を応援したいと思っています。
コンビニ飯買うくらいなら、個人店や屋台に行ってお金落とした方がいいし、
店主と良く分かりもしないタイ語で話すのも楽しみの一つです。
いい加減に何回も通っていたら、あっちも覚えてくれますし、
店主は嫌でも店にずっといるけど、
チェーン店のスタッフはコロコロ変わりますからね。
副業でお店をちょっとの期間やっていましたが、
とても厳しい世界がそこにありました。
当然大資本には勝てるわけないし、
もし売上が悪くても耐えられる経営規模が違う。
そもそも戦おうと思うこと自体がおこがましい。
私の場合は、上記にある通り、本業で仕事しながらでしたし、
賃金均衡のバランスの通り、スタッフを雇えるだけの給料が払えるほど
稼ぐ事は出来なかったので閉めることにしました。
こういう苦い経験があるからかも知れませんが、
個性のないチェーン店でお金を落とすくらいなら、
良いも悪いも個性あふれる個人店を応援していきたいと思っています。
日本においても、すべて価格や便利さで使う店や場所を選ぶのではなく、
ちょっと高くても、ちょっと不便でも個人店や小さな企業の良い商品を購入できるような余裕が持てると良いですね。
やっぱ余裕が無いと安いものに流れてしまいます。
実際、20bahtショップとかあると探している商品も特に無いのに、
貧乏根性丸出しで歩いて見て回ってしまいますしw
その他者を思える余裕を作る為に私は(まだ負けてるけど)当面タイ株で頑張って行こうと思います。
ではでは。